給湯室では、ちょっと息が抜けるので本音の話がとびかいます。

個別指導の夏期講習ってなんでムダに高いんでしょうか

フランチャイズ個別指導教室では、夏期講習前になると、「提案書」が示され、「この夏はこことここをマスターするため○○コマ必要です」という形で講習のコマ数(=講習費)が提案されます。

内情は、教室ごとの夏期の売り上げ目標が先にあって、それを達成するためにひとりひとりに売上目標である講習費を割り振っているにすぎません。

良心的な講師が、「○○さんに、そんなに多くのコマはいらないと思います」と教室長に言っても、教室長から「ならば君は、このコマ数で○○さんの成績の保証ができるのか。成績が下がったらどう責任をとるのか」というムチャクチャな論理で問い詰められ、しかたなく「○○さんへ」と生徒に無駄に多いコマ数をとるように勧める直筆の提案書を書く、というケースが多々あります。
(講師直筆の手紙を添えた提案書は、売り上げアップの道具としてもっとも効果的なことが実証されており、多くのフランチャイズ個別指導教室が、講習前に講師手書きの手紙を採用しています)

もちろん、大多数の学生アルバイト講師は、生徒のコマ数が多くなればなるほどバイト代が稼げますから、できるだけ多くのコマ数をとるように勧めます。

ですが、ある程度経験を積んだ講師ならば、中3内容を教えながら、中1・中2の復習も織り込んで授業ができます。前学年までの復習に高い費用をかけなくとも、授業の前後に自習させながら十分マスターさせることができます。わざわざ中1・中2の復習のために多くのコマ数をとらせることは、経験が少ない学生バイトが教えていることを証明しているようなものです。

「何教えればいいんですか」なんていう、学生バイト講師に授業を担当させて講習費が5万円や10万円、ということであれば、保護者の方は、言葉はよくありませんが、塾側からみてかっこうの「かも」になっている可能性が大です。

フランチャイズ個別はなぜ成績が上がらないのか

最近、「高い費用を払ったのに効果がない」といって、1:2や1:3のフランチャイズ個別指導教室から移ってくる生徒が増えています。
なぜフランチャイズ個別教室は成果があがらないのでしょうか。

① 教務のプロがいない
ひと言で言えば、「フランチャイズ個別指導教室には教務のプロがいない」これにつきます。ファーストフードなどのフランチャイズでは最も重要な「味」の部分が本部から提供されます。ところが個別指導のフランチャイズでは最も重要な「成績をあげる方法」は本部からはほとんど教えてもらえません。本部自体が、成績をあげるノウハウをもっていないのですから当然といえば当然です。

② 教室長を営業力重視で採用
フランチャイズ個別教室の場合、ネットの求人広告を見ていただくとよくわかるように、教室長に必要とされるのは、まず営業力です。講習のコマ数等いかに保護者の方を説得して売り上げを伸ばすかが最重要で、教務については学生のバイトに丸投げ状態の教室がほとんどです。これでは成績があがるほうが不思議です。

③ 講師がアルバイト
実力をつけるために大切なのは、1週間後、1ヶ月後でもすらすら解けるようになっているかです。そのためには、たえず振り返りの学習、理解度のチェックをしなければなりませんが、学生バイト講師にはそこまで手間ひまかけたことはできませんし、時間だけを切り売りしているアルバイトにそこまで要求するのは酷です。

④ 時給が安いので優秀な人材が集まらない
さらに個別指導の学生バイトの時給は集団指導の学生バイトの時給の半分くらいということもあり(求人サイトをご覧ください)、優秀な学生はなかなか個別指導の講師に応募してきません。先生1人に生徒2名の場合、保護者の方はお一人で90分週2回で月8回の授業に3万円前後の授業料をお支払いになりますから、(実際には、月額授業料を低く見せ、維持費や管理費等の名目で別途月3000円前後いただいていますから、月額33,000円前後になります)1:2の場合、保護者の方2名のお支払い金額合計は月額で6万5千円前後になります。個別指導教室の学生バイトの時給は90分1800円前後ですから月8回で1万5千円弱となり、保護者の方がお支払いになっている授業料の1/4しかアルバイト講師に渡っていないことになります。もう少し学生バイトの時給をアップすれば、講師の質もよくなり、バイト講師が数ヶ月でやめてしまうこともないのに、と思います。

⑤ 映像授業を使っている
最近映像授業を取り入れている塾が増えているのは、人件費が節約できるからです。ただ、映像授業はあくまでも部分的に使うものであって、映像授業が授業の中心になることは考えられません。授業は生徒と講師とのコミュニケーションです。生徒のその時その時の反応や理解度によって、たえず教え方、教える内容等が変わってきます。映像授業は、形式的には個別ですが、「ひとりひとりの理解度に対応した授業をする」という「個別指導」とはまったく異なるものです。

スターライトアップ作戦

なかなかよい感じのネーミングですが
ミッションインポシブルやマット・デイモンのボーンシリーズの作戦名ではなく
塾でちょっとまずいことがおきたときに実行される作戦名です。

どんなまずいときか。
ずばり講師に問題があったときです。

塾は学生バイト講師がいるおかげで成り立っています。
個別指導教室の場合は、
週1回だと一人、週2回でも一人ないし二人の先生からしか教わらないので
生徒は講師の比較ができません。
したがって学生バイト講師の力量はほとんど問われません。
学生と生徒の、時間と曜日と科目があえば
よほどのことがない限り
「僕、教えるの初めてなんです」
というような学生でもなんとか回ります。

これに対し集団指導教室では、
講師の時間給が個別の倍以上なので
ある程度のレベルの学生が集まっています。

しかし、集団指導教室では
生徒は教科ごとに講師が変わり、
さらに夏期講習や冬期講習では別の講師に教わることも多いので
生徒に、ある程度「講師を見る目」が養われてきます。

そして生徒の「講師を見る目」はかなり的確で、
いっしょに働いているスタッフからみて
「あっ、この人はちょっと」と思える講師には
生徒からすぐクレームがでます。

大手塾で教室長をしていた頃
新しく採用した社員講師やバイト講師で
研修を修了して配属されてきたものの
生徒から
「あの先生の授業わかりにくい」
「あの先生、授業へただから別の先生にして」
という声が出ることがありました。

一番の解決策は
問題のある講師を交代させることですが
塾講師はサービス残業が多く、休みも取れないことが多いので
なかよい講師が確保できません。
交代なんて夢のまた夢という感じですし
本部からは
「ただでさえ講師が足りないのに。おまえの力でなんとかしろ」
といわれるのが普通です。

そこで、なんとか、まわりのスタッフの力で
問題講師の評判を回復できないか
ということから考えられたのが
スターライトアップ作戦です。
作戦要綱は
「問題講師とその授業を、他の全スタッフが生徒の前でほめまくる」
これだけです。

仮に○○先生が問題講師だとすると
「いいか~。○○先生は、お前たちのために毎日朝から教室に来て教材研究してるんだぞ」とか
「○○先生は、毎日お前たちのノートや小テストを細かくチェックして、ひとりひとりがどこで間違えるか分析してるんだ。ここまでやってくれる先生はめったにいないぞ」とか
「○○先生は、××教室で模試の英語の教室平均を12.3点もあげたんだ」(もちろんウソです)とか
「○○先生の授業のすばらしさって、ある程度成績がよい生徒じゃないとわからないと思うけど、こないだの教科研修でグランプリを獲得したんだぞ」(これもウソです)
等々。

最初は「ふ~ん」なんていう感じで聞いている生徒たちですが
全スタッフがことあるごとに
○○先生がいかにすごいかを話すので
数週間後には生徒たちも徐々に
「○○先生はすごい」ということを信じるようになってきます。
そしてその頃には○○先生の
教室での模擬授業を中心にした再研修も進み
教える技術力もやや向上し
生徒の批判の嵐も、なんとかおさまることになります。

さすがにこれはひどい、と思った個別指導塾~①

長い間塾をやっていると、
中学生や高校生の子どもを持つ知人からよく相談を受けます。
特に多いのが夏休み前で
子どもをフランチャイズの個別指導塾に通わせているケースです。

「6月の塾の面談で、夏休みは30万円コースを勧められた。ほんとうに必要なのか」
「20万円コースを勧められ、『考えておきます』と言ったら、『授業をとっていただかないと成績に責任を持てません』と言われた」
等。

聞いたとき、あぜんとしましたが、
フランチャイズの個別指導塾に通っている場合
夏期講習で10万円とか20万円のコースを勧められるのは
決して珍しくないようです。

結論から言えば、
いくら個別とはいえ、
夏期講習で10万円以上のコースを勧められたら
ちょっと考えたほうがよいと思います。

それまで、そのフランチャイズの個別指導教室に通わせて
グングン成績が上がっているならばともかく
10万や20万の講習費を払って
それに見合うだけ効果があるのか、成績があがるのか
ということを
一度しっかり、考えるべきです。

最近多いのが、
英語や数学の科目別の単元リストのようなものを提示され
「チェックがついた単元の理解が不十分なので、
ここを学習するために、英語と数学でそれぞれ40こまは必要です」
と、提案してくるケースです。

時間とお金をかければ
その単元ができるようになるという「錯覚」を上手に利用しています。

モノであれば、
お金と交換に形のあるものが残りますが
塾の授業というサービスの場合
高額の支払いをしても
必ずその見返りがあるとは限りません。
むしろ、
高い金額を支払ったときほど
それにみあった見返りの割合は少ない、と言えます。

「この先生に教われば必ず成績があがる」
という講師が担当するならともかく
(そんな講師はひっぱりだこですから
時給1000円前後の
フランチャイズの個別指導教室では働きません)

「何教えればいいんですか」なんていう
学生バイト講師に授業を担当させて
講習費が10万円や20万円、ということであれば
保護者の方は
言葉はよくないですが
塾側からみて「かっこうのカモ」
になっている可能性が大です。

できるようになるために一番大切なのは
「自分でなんとかしたい」という気持ちです。
これがなければ
お金をかけても、どんなにいい先生に教わろうともムダですし
「自分でなんとかしたい」という気持ちがあれば
多くのコマ数は不要で
自習に使える場所と、わからないときに質問できる先生がいればOKです。

ここにも書きましたが
フランチャイズ個別指導教室の場合
売上に対するノルマが厳しいので
「高くとれそうなご家庭からはとれるだけとる」
「とりあえず高い金額を提示し、断られたら少し下げて提示してみる」
という、とんでもないことになるのだと思います。

新年度が始まる4月前の面談で、
「中3の夏休みの講習費はだいたいどのくらいになるのか」を
塾にたずねてみたほうがよいと思います。

去年うけた相談で
「夏期講習が160こまで50万円弱という金額を言われ、
『どの教科も少し減らしてください』と言ったら、
『それは無理なので、1教科カットしましょう。その科目は自分でやってください』と言われた」
というものがありました。

これは最近のフランチャイズ個別指導塾で、
多くのコマ数をとらせるときに使う常套手段で、
1教科カットしましょうと言われると、
不安で断れない親心をじょうずに利用しています。

このセリフがでたら、
その塾はすぐやめたほうが賢明です。
そのフランチャイズ個別指導教室にとっては
単元別のチェック表や提案表の各単元=何枚かの千円札
という感覚で、
ほんとうに生徒の成績を伸ばそうと思っている可能性はゼロに近いからです。

さすがにこれはひどい、と思った個別指導塾~②

実は、フランチャイズ個別指導教室の講習で一番問題なのは
高額な講習費ではありません。
高額な講習費については
表現はあまりよくありませんが
「だまされるほうも悪い」という面もあります。

20万とか30万とかの講習費を提示されたとき
「ちょっとおかしいんじゃない?」
という疑問を持つのが普通の感覚です。
塾にいわれるままに
疑問を持たずに高額の講習費を支払ってしまった場合
支払ったほうにも、責任がないとはいえません。

でも、高額な講習費より問題なのは
結果がでなかったときに
保護者の方の怒りのほこさきが生徒に向かってしまうことです。

「20万もはらったのに」とか「30万も出したのに」
というセリフが子どもに向けられることがあります。
これは子どもの心を、確実に、かなりの度合いで傷つけます。

子どもにしてみれば
塾に通って塾の指示通り勉強したのに
なぜ私が責められなければ。。。。。
という感じだと思います。

成果がでなかった場合の責任は
第一に、教務力がないのに高額な講習費をとっている塾
第二に、広告に踊らされ、そんないいかげんな塾を選んでしまった保護者の方
が負うべきであって、
子どもの責任ではありません。

保護者の方の怒りのほこさきは
授業は学生バイト講師に丸投げしているにもかかわらず
高額な講習費を請求する
フランチャイズ個別指導教室に向けられるべきであって
子どもに向けられるべきではありません。

ただし、生徒にやる気がない場合は
いくら高額の講習費を支払ってもムダですから
これは、はっきり言って
やる気がないのに講習に参加させた保護者の方の責任です。

自宅の近所の方、おふたりから相談を受けたときに
たまたまおふたりのお子さん(中3)が
同じ教室に通っていたので
夏休み中に自宅に来てもらって
どんな授業を受けているのか確認してみました。

あきれて何も言えませんでした。

1人は「数学が5英語が2」、もう1人は「数学が2英語が3」でしたが
教材も進度も、各教科のコマ数もまったく同じでした。

このフランチャイズ個別指導教室では
生徒一人一人にあった提案をしていたのではなく
どの生徒にも同じ教科とコマ数を提案していたのです。

しかも教材も進度も同じです。
授業は同じテキストを1回1単元機械的に進めているだけ。
はっきり言って
これでは講習費をドブに捨てていることと同じです。

例えば
数学が「5」の生徒ならば
すでに学習している範囲は自分で復習させて
どんどん先を予習させるべきです。
相似、三平方あたりを学習し
相似、三平方、円等が融合した、差がつく問題に取り組ませるべきです。

逆に「2」の生徒は
計算の基礎力を養い、
公立志望であれば
関数や統計等、
神奈川では比較的易しい問題が出題される箇所を重点的に学習すべきです。

このフランチャイズ個別指導教室では
夏期講習で生徒にかなりのコマ数をとらせるので
講師は忙しく
とても予習なんかしている時間がありません。
そこで、どの生徒も同じ教材、同じ進度にしているのだと思います。
そうすれば、
最初の生徒に対する授業が
次の生徒の授業の予習になりますから。
(バイト講師の最初の授業にあたった生徒こそいい迷惑です)

つまるところ
このフランチャイズ個別指導教室では
保護者の方が
教務的なことはわからないのを幸いに
生徒の状況を無視して
講師がやりやすいように
塾側の都合をだけを考えて
講習のカリキュラムを組んでいたのです。

「ひとりひとりに」とか
「君にぴったりの」とか
「完全個別指導」とか
「やる気にさせます」とかは
単なるチラシのうたい文句にすぎませんでした。

「宣伝しないものは、存在しないことと同じ」とはいうものの

世界史とシュリーマンでちょっとふれたように

ビジネスの観点からすると「いかに見せるか」は非常に重要で
品質が同じものであればもちろん
実際にはかなり劣っていても
「見せ方のうまい会社」から
人々は商品を買い、サービスを買ってしまいます。

     
塾の場合
商品が
「授業という目に見えないもの」なので
特に
「いかに見せるか」は最重要で
残念ながら
「じょうずに見せたもの勝ち」の世界です。

   
りっぱな建物にはいったり
大きな看板を掲げたり
豪華なパンフレットを作成したり
机イス等の備品や内装にお金をかけたり
ご家庭にまめにご機嫌伺いの営業電話をしたりと
(塾コンサルタントのお偉い先生方によると
 接触回数が増せば増すほど、
 塾に対しての信頼感や安心感が増し
 高い商品を売り込みやすくなるので
 最低でも週に1回は電話でコミュニケーションをとらないといけない。。。。
 そうです。。。。。)

見える部分に、これでもか、とお金と手間をかけ
見ることができない授業の品質がよいと思わせます。
(実際によいのかもしれませんが)
ただし、見える部分にかけたお金と手間は授業料で回収しなければなりませんから
しぜん授業料は高額にならざるをえません。

松下幸之助さんは
「宣伝しないものは、存在しないことと同じ」
という名言を残されましたが
松下さんの「宣伝」の意味は
「商品などに関する知識・効能を広く人々に説明し,理解を得ようとすること」
だったと思います。

今の宣伝はエスカレートの度が過ぎ
「品質のともなわないものを、いかによく見せるか」
という、おかしなことを
多くの会社が必死にやってます。

  
塾の宣伝で最近はやっているのは
自塾の理念、自分の教育に対する信念などを
業者が上手に書き上げたいくつかのサンプルの中から選び
それを自塾の理念、自分の信念として
チラシに載せることです。

「当塾の理念は」とか
「私の教育に関する考えは」という部分を
業者が作成した
広告効果が高い
多くの「感動的なストーリー」の中から選びます。
(ある内容を訴えたいとき
ストーリー形式にすると広告効果が大きいことが知られています)
   

業者は
「このストーリーは○○地区で反応がよかったので、どうですか」
という感じで営業をかけてきます。
10万円弱で契約すると
「○○地区で反応がよかった」「自塾の感動ストーリーや自塾の信念」が送られてきます。

専門業者ですから
ちょっとうるっとくるようなストーリーに仕上がっており
デザインも上手です。
チラシの読み手は、
業者がつくったストーリーや信念を読み
「この塾なら」と思って入会してしまいます。

    
確かに「上手に見せたもの勝ち」の世界ですから
何も言えませんが
自分がなぜその仕事をしているのか
という、
まさに自分の生き方の根っこにあたる部分を
業者が作成したサンプルから選ぶ
というのは、
ちょっと悲しい気がします。 

中学生の夏休みの宿題に
よく英文日記がでます。
毎年のことですが、夏休みの終わり頃になると  
「先生、まだ英文日記書けてないんだけど、何とかして」
というリクエストがあります。
教科書や参考書を与えて作成させますが
中には、
参考書の日記や先輩の日記(いくつかとってあります)を丸写しする強者もいます。
「自分の行動を書かなきゃいけないのに、いいのかなぁ~」と私
「明日、この日記の通りに行動するから大丈夫。ノープロブレム」と強者生徒。

業者が作成した
「自塾」の感動ストーリーや「自塾」の理念を購入している塾長さんも
その感動ストーリーと同じ行動をし
サンプルの理念を毎日唱えていれば
それがやがて、自塾の感動ストーリー、自塾の理念になり
別に問題ないのかもしれません。。。。。

強者生徒と同じように。。。。

本音のドラマ GTO(反町バージョン)

~校舎がなくなってもな、青空の下だろがなんだろがな、
 どこ行っても授業なんかできんだろ。 教師と生徒さえいれば~ 

典型的な日本の学芸会ドラマで
見ているこっちが恥ずかしくなる気がする

はずなのですが。。。。

ですが、
主題歌「ポイズン」が流れると
GTOモードに入ってしまい
つい正座して見てしまいます。

しかも、毎年1回は。。。

ドラマでは
実際に学校現場でおこっているさまざまなできごとが
戯画化されて出てきます。

ときどき、「そうそう、そうなんだよな~」と
共感できる台詞や言葉が出てくること

建前や、評論家のような第三者的意見を全否定し
誰もが、思ってはいるけどなかなかできないことを
正面からぶつかり、さも当然のようにやってしまうこと

「涙は心の汗だ」
「私たちが教えているのは腐ったミカンなんかじゃないんです。生きた人間なんです」
と言ったり
夕陽に向かって海岸を延々と走り続けたり
というような
一昔前のちょっと暑苦しいまじめな青春ドラマとはちがって

ハチャメチャだけど、
ぶれずに筋を通し
どこかで本気で生徒のことを考えている
そんなところが魅力的なんだと思います。

原作のマンガを読んだことがないので、
原作にある台詞なのか、
脚本家(遊川和彦)が書いた台詞なのかわかりませんが

鬼塚語録
「とりあえず高校卒業しとこうなんて保険かけてるやつが 天下なんか取れるわけねーダロ」 
「人間ってのはよ、ほんとは今をもっと大切に生きないとまずいんじゃないのか」
「今日一日を大切に生きていくべきなんじゃねえのか。未来ってのはそういうのの積み重ねなんだよ」
「人生にリハーサルなんかねぇんだよ。毎日が本番なんだよ」
「愛はな、品さだめじゃねぇんだよ」

前後のストーリーがないままで、台詞だけ抜き出してしまうと
なんかクサい台詞だなと思ってしまいますが
主演の反町が一世一代の当たり役で
(といっても他に彼の出た番組を見たことはありませんが)
鬼塚と反町が一体化し
台詞に妙に説得力があります。
ひょっとして、反町がアドリブで言ってたりして。。。。と思わせるほどです。

最終回の
武蔵野聖林学苑が有名進学校に吸収合併されることになり、
校舎の取り壊しが始まるときの台詞

「校舎がなくなってもな、
武蔵野聖林学苑は、なくなりはしねぇんだよ。
青空の下だろがなんだろがな、
どこ行っても授業なんかできんだろ。
教師と生徒さえいれば。
そういうのをな、教育っていうんじゃねぇのか」   

思わず拍手しちゃうほど、いい台詞ですね。

ここ十数年、塾はきれいで立派なテナントに入るようになりましたが
昔は、自宅や古いビルの一室で、やっていました。
あの頃の教室は、狭くて、エアコンもついていませんでしたが、
独特の熱気のようなものが教室にあふれていました。
(もちろん、エアコンがなかったせいではありません)

「塾が教育をやってる」なんて
そんな大それたことは、考えたこともありません。

塾なんて
「自分をなんとかしたい」という生徒と
「そんな生徒をなんとか応援したい」という講師がいれば
どんな場所でも十分なりたつのではないかと思います。

昔、古い民家を借りて塾を始めた頃の
初心にかえらせてくれる
「GTO」です。

PS 
鬼塚英吉をもっとよく知るために。。。
第1回と最終回に出てくる履歴書から。。。

鬼塚英吉   25歳 優羅志亜(ユーラシア)大学卒  
愛読書    ぼっちゃん 猿岩石日記  
尊敬する人  エジソン、YAZAWA、松田優作
好きな音楽  エリーゼのために
教師を志望する動機       教師になりたかったから!  
いじめについてどう思いますか  かわいそうだと思う

テスト:「エイキを養う」のカタカナを漢字で書きなさい
  鬼塚先生の答 「胃液を養う」 

PS その2
「すいません」が口癖で、
生徒にも教師にも気を遣いすぎる
沼田爆さん演じる藤富先生の言葉

「子どもは親の言うことは聞かないけれど、親のやることはまねするんです」

「人の人生は出会った人で決まるんじゃないでしょうか」

また、ある保護者の台詞

「子どもと一生つきあうのは親なんですよ。教師なんか、卒業させれば終わりじゃないですか」

グレイトなドラマです。